2017年03月31日

秋色の電車が通る〜南武線開業90周年

    三番線がわのベンチから、じっくりとE233系8000番台のまだ新しい車体を眺めつつ、南武線のこれまでとこれからに思いを馳せている。

    東京と神奈川のさかいめ辺りを走っている南武線が、今年で90周年を迎えるというので、遠出のついでではあるが、途中の武蔵中原駅で降りてみた。
    川崎と立川を結ぶ35.5kmの南武線には、横浜線の「はまかいじ」のような特急の設定はなく、昔のように青梅線に直通する臨時列車は季節が限られごくわずかになっている。昔は青梅線の奥多摩や、中央本線・長野方面と東京湾臨海部とを結ぶ貨物路線としての色合いも濃く、電気機関車がじっくり引っ張るながい長い貨物が昼夜行き来していたと聞くのだが、今では並行する武蔵野貨物線のほうがずっと便利で、この南武'本'線を走っているのは中央線の快速と各駅のあいのこのような、秋を思わせるカラーリングの6両編成だけである。15分置きくらいの普通電車と時々気まぐれのような快速電車である。

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    電車の写真を撮ったり、見たりする人には、ちょっと物足りない路線かもしれないけれども、私は今の主力のE233系が出てくる前の、205系やE209系が仲良く顔をあわせるような頃から南武線を見知っていて、多少のおもいでも出来た。
    ひとには感傷と言われるようないくつもの思い入れがあったりするから、こんな折に再び訪ねてみようと思ったのかもしれない。


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2017年3月9日 Y.Toriyama

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2017年03月05日

富士急行線に国鉄形の面影さがしに

JRグループ各社の3月4日のダイヤ改正もあり、改めて2017年度を迎えた今日この頃、であるけれど、ゆびおり数えてみると、この春でJR発足30周年ということになるようだ。これもまた一つの節目というわけで、今回は現役でいまだ走り続ける国鉄末期製造の鉄道車両を追いかける旅に出てみたい。
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といっても、今回出かけてきたのは「富士急行線」である。富士急行は山梨県東部の街、大月から、南へ進み、日本の代表的観光地の一つ、富士山のふもとを目指して走る、総延長26.6キロの私営鉄道である。富士急行線は大月駅で中央本線と接続しており、週末を中心に新宿・東京方面からの観光列車が直通していることでも有名である。しかし、今回の鉄道ウォッチングの目的はJR線からの臨時列車で使われる国鉄系特急189系を見ることではなく、毎日まいにち大月と河口湖駅の間をじっくりと行き来し、沿線に住む人たちの生活の足となっている富士急6000系(旧JR東205系)を見ることである。
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「FUJISAN COMMUTER TRAIN」という愛称のついた富士急6000系は富士急行による新造車ではなく、かつてJR東日本の京葉線で走っていた205系をもらい受けたものであるそうだ。いろいろと伝え聞いたことによると、この富士急6000系は、はじめ国鉄末期に山手線用に先行導入された国鉄205系車両が、都心での運用を終えた後、カラーリングをワインレッドに変えて京葉線に充てられ、長く都心と舞浜とをつなぎ続けたのち、JRになってからの新造車に置き換えられる形で廃車になり、富士山麓におくられたものだそう。
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今回鉄道ウォッチングに選んだ駅は、大月から六つめの「谷村町駅」である。ここまで五つ駅を数えてくる中にも素敵な駅はいくつもあるのだが、二面複線のこの谷村町駅もこじんまりとしていいつくりの駅である。この駅はつい何年か前に、あるアイドルグループのミュージックビデオに使われたこともあって、巷では有名な駅であったりもする。
しかし、首都圏の過密なダイヤのもとでの運用を長く経験したのちに、まだ現役で走り続けているのだから、列車のながいながい旅のつかれを労うとともに、ここまで永く現役で走らせるために車両の体調管理を続けられてきた整備士の方々の丁寧な仕事には頭が上がらない。
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谷村町におもむいたのは、昨年の夏の終わりごろ、台風が近づく季節で、カメラで列車の雄姿を収めるための青々とした夏空は期待できず、霧のような小雨が谷村の谷あいの街並みをつつんでいた。しかし、朝から続いていたこの雨が太陽を遮っていてくれたからか、ひととき都会の残暑のあつくるしさを忘れさせてくれる旅となった。
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富士急行線も首都圏近郊路線の一つであるから、今では多くの駅でICカードが利用できるけれども、中央線との乗換駅である大月駅ではJR線のりかえ改札ではないほうの小さな有人改札では昔懐かしの検札鋏で切符にはさみを入れてくれ、今回降りてみた谷村町駅では駅員のお姉さんが親切な方で、声をかけると改札の際に「お持ち帰り記念」印を丁寧に押してくださった。さすがに硬券の時代ではないけれど、とても味わい深い思い出になる。乗り換え時間に余裕があるならば、中央線を降りたらいったんJR改札を出、改めて切符を買い求めて旅を始めるのもまた面白いのではないか。

2017-03-03 鳥山 柚樹
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