2017年04月21日

中央東線の旅〜眼下に広がるいなほのこがね

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       先のダイヤ改正では高尾発長野行きの普通電車が設定されたそうで、歴史を感じさせる国鉄系211系での長旅は、東海道本線の熱海以西の鈍行しか走っていないエリアの各駅の旅を思わせる。

       海か山かという問題にしてしまえば、それこそ人のすき好きであるが、街道沿いのひらけた感じより、みどり間近かに自然を楽しめ、さまざまな地形のうえを走ってゆくのが面白いと思う私には、中央本線のほうがより好みである。

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       青と水色のツートンカラー、爽やかさというよりスーパーあずさのE351系に通じているような上品な色をひいた211系の6両編成が高尾からさき、山梨・長野を目指して進んでゆく。列車は高尾を出ると小仏峠をトンネルで超えてゆき、相模湖をでて左手に湖にかかる美しい白の橋を見る。湖を離れて、いくつかトンネルを抜けて、上野原、四方津のあたりから桂川を窓辺に見て、列車はしばらく川沿いをゆく。きっとおそらく、桂川が長いとしつきをかけてつくった河岸段丘の上に暮らしがあって、そのわきのあたりを中央線は走っているのだろう。

       永く川べりを走っていると、天気が悪く見晴らしの良くない日などには、ガラスの向こうも曇ってしまって、ため息をつきはじめることもあるだろうけども、ぼんやりとつまらなく外に目をやっているのを驚かせる景色が鳥沢を過ぎたところにある。

       電車が鳥沢鉄橋を渡る。秋の実のりの時季には眼下に広がるいなほのこがね。曇りぞらの日には桂川に削られた谷に立ちこめる霧と雲。少し言いすぎても構わないのなら、鉄橋を渡るあいだだけの短い風景は、都会を忘れてやってきた桃源郷を見たかのようなものである。

鳥山 柚樹

posted by Y.Toriyama at 06:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 電車