2017年11月05日

陽暮れかかる、旅のみそら

beautiful_sunset_and_fall.JPG

 堰きとめられた静かな水面が、鏡のように向こう岸の紅葉を映している。背の高い山に囲まれた盆地にありがちで、ここの山里の夕暮れも早い。ちょうど私はなだらかな河の南岸に立っていることになるのであって、私の来た道はもう薄暗かった。だから、土手に伸びる道の向こうにまだあかあかと照らされた樹々の赤色を見たときには、寒さではなくその明るさに心震えた。

 河北のあたりはおそらく田んぼのような低い土地が続いていて、どこかで急に背高い山につながっている。色を変えない木も多いらしく、夕暮れて来るまではその山肌の美しさに気がつかなかったのであるが、沈みかけの陽に誇張されてだろうか、いちめん真っ赤に染めた秋の山がそのまま眼に映るのも美しく、さらに静かな川面に映りこんだ。ときおりその風景を揺らめかすのは、家路を急ぐ水鳥の滑る跡だった。

posted by Y.Toriyama at 00:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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