2017年03月05日

富士急行線に国鉄形の面影さがしに

JRグループ各社の3月4日のダイヤ改正もあり、改めて2017年度を迎えた今日この頃、であるけれど、ゆびおり数えてみると、この春でJR発足30周年ということになるようだ。これもまた一つの節目というわけで、今回は現役でいまだ走り続ける国鉄末期製造の鉄道車両を追いかける旅に出てみたい。
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といっても、今回出かけてきたのは「富士急行線」である。富士急行は山梨県東部の街、大月から、南へ進み、日本の代表的観光地の一つ、富士山のふもとを目指して走る、総延長26.6キロの私営鉄道である。富士急行線は大月駅で中央本線と接続しており、週末を中心に新宿・東京方面からの観光列車が直通していることでも有名である。しかし、今回の鉄道ウォッチングの目的はJR線からの臨時列車で使われる国鉄系特急189系を見ることではなく、毎日まいにち大月と河口湖駅の間をじっくりと行き来し、沿線に住む人たちの生活の足となっている富士急6000系(旧JR東205系)を見ることである。
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「FUJISAN COMMUTER TRAIN」という愛称のついた富士急6000系は富士急行による新造車ではなく、かつてJR東日本の京葉線で走っていた205系をもらい受けたものであるそうだ。いろいろと伝え聞いたことによると、この富士急6000系は、はじめ国鉄末期に山手線用に先行導入された国鉄205系車両が、都心での運用を終えた後、カラーリングをワインレッドに変えて京葉線に充てられ、長く都心と舞浜とをつなぎ続けたのち、JRになってからの新造車に置き換えられる形で廃車になり、富士山麓におくられたものだそう。
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今回鉄道ウォッチングに選んだ駅は、大月から六つめの「谷村町駅」である。ここまで五つ駅を数えてくる中にも素敵な駅はいくつもあるのだが、二面複線のこの谷村町駅もこじんまりとしていいつくりの駅である。この駅はつい何年か前に、あるアイドルグループのミュージックビデオに使われたこともあって、巷では有名な駅であったりもする。
しかし、首都圏の過密なダイヤのもとでの運用を長く経験したのちに、まだ現役で走り続けているのだから、列車のながいながい旅のつかれを労うとともに、ここまで永く現役で走らせるために車両の体調管理を続けられてきた整備士の方々の丁寧な仕事には頭が上がらない。
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谷村町におもむいたのは、昨年の夏の終わりごろ、台風が近づく季節で、カメラで列車の雄姿を収めるための青々とした夏空は期待できず、霧のような小雨が谷村の谷あいの街並みをつつんでいた。しかし、朝から続いていたこの雨が太陽を遮っていてくれたからか、ひととき都会の残暑のあつくるしさを忘れさせてくれる旅となった。
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富士急行線も首都圏近郊路線の一つであるから、今では多くの駅でICカードが利用できるけれども、中央線との乗換駅である大月駅ではJR線のりかえ改札ではないほうの小さな有人改札では昔懐かしの検札鋏で切符にはさみを入れてくれ、今回降りてみた谷村町駅では駅員のお姉さんが親切な方で、声をかけると改札の際に「お持ち帰り記念」印を丁寧に押してくださった。さすがに硬券の時代ではないけれど、とても味わい深い思い出になる。乗り換え時間に余裕があるならば、中央線を降りたらいったんJR改札を出、改めて切符を買い求めて旅を始めるのもまた面白いのではないか。

2017-03-03 鳥山 柚樹
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2016年12月04日

特急あずさ、50年の歴史と伝統、そしてこれからも

JR東日本のプレスリリースによると、50周年を記念した特別ラッピングを施した松本車両センターのE257系特急電車一編成が、中央線特急として先月10月から運用しているという。

かいじ・あずさとして知られる中央線特急は、都心と甲信エリアを結ぶ最短コースの一つで、行楽客だけでなく多くのビジネス客にも利用されてきた路線である。長野新幹線の開通までは中央線が唯一の山越えルートであったこと、並行する中央自動車道の高速バスとの競合もあり、運行本数が他の東京・首都圏始発の特急に比べ多く設定されている。スーパーあずさも含めた、昼夜の30分間隔の過密な運行を実現するために、E257系の配置数は他の特急型車両を抜いて、関東圏ではダントツ一位である。

現在運行されている数十台の中の、たった一台にたまたま出会うことができたのだから、これは運が良かったと感謝するしかない。

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 21世紀になってから登場したE257系の車体デザインは中央本線沿線に所縁のある戦国武将、武田信玄の家紋をモチーフとして明るい色を配したパターンに変わった。それまでの183189系等国鉄特急車両の二色塗りのシンプルなデザインを打ち破った斬新な登場だったと記憶している。

 鉄道旅行の楽しげな雰囲気を表しているともいえる、明度の高い武田菱をモチーフとしたパターン、その風合いはそのままに、菱形に細かい白抜きを用いたグラデーションを施すなど多少のアレンジが香り付け程度に施され、50周年記念エンブレムが制作された。

またこのエンブレムには紺色で右から左へと流れてゆくように電車のシルエットが走っている。先頭車両の顔の部分の簡単な輪郭しか描かれておらず、また歴代の中央線特急車両とはどうも似ていないこのシルエットは、スーパーあずさの後継と噂されているE353系の姿を想像させる。E257系も含め、すべての中央線特急が新型車に置き換えられる日も近いのだろうか。目新しい車両が変わらない沿線風景の中を走る姿を追いかけるのは楽しみではあるが、思い出がまた一つ消えるようでかなしくもある。

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そんな往年のファンを彷彿とさせるのは、183189系時代の車両側面の方向幕の意匠を元にした、「あずさ50周年」ステッカーである。
現在では多客時の臨時列車としての運用(豊田車)でしか見られなくなった国鉄189系のヘッドマークの「あずさ」の独特なひらがなフォントの味わいをそのままに、21世紀に蘇らせた50周年の門出にぴったりなデザインである。

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 走り出してからはや半世紀、沿線の荘厳な山々は在りし日のまま、しかし気付けば列車は21世紀。
50年の歴史と受け継いできた伝統を表現したエンブレムを賜って、50年目のスタートラインを切ろうとするあずさ、感動もひとしお、これからの期待も込めてそっとエールを送りたい。


posted by Y.Toriyama at 16:37| Comment(0) | 電車

2016年10月09日

信濃路ノスタルジア、中央線こころのふるさと

1966 (昭和41 )1212日 に新宿駅 - 松本駅間で運行を開始したあずさ号は、20161212日に運行開始50周年を迎える。

東京と信濃路を結んできた特急あずさ、中央東線の幾重にも重なる山々、高パーミル、急勾配区間を走り抜けてきた、あの逞しさは鉄道ファンのみならず中央線に旅情を誘われるすべての人の心をつかんで離さない。

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「変わりゆく新宿駅・国鉄系とミライナタワー」

グレードアップあずさ塗装189系 上り あずさ71 (9071M) 2016/10/08 新宿駅


高尾を過ぎて小仏のトンネルを抜けると列車は桂川の河岸段丘をゆく。晴れた日には雄大な富士を横目に見ながら列車は少しずつ山登りを始める。

幾重ものトンネルを抜けると進行方向後ろ向きを眺めて座っている私には、段丘面に張り出した山々が一枚一枚の重なりとなって、遠く一葉の絵画のようにみえる。


甲府を出て、間もなくすると、新府、穴山、日野春、長沢、小淵沢とゆくと遠く八ヶ岳の美しい稜線が車窓に映る。

長坂-小淵沢間の大カーブでのあずさと八ヶ岳の壮観は有名であるが、あの曲線を曲がるとき、あの歌の見ているような信濃路を思い起こさせる。

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「疾走する189系あずさ」

グレードアップあずさ塗装189系 上り あずさ71 (9071M) 2016/10/08 中野駅


あずさ・かいじとして長年走り続けた国鉄系189系も、E257系の登場によりいつしか定期運用から外されてしまって今では数少ない臨時運用に当てられるのみになってしまった。

鉄道の技術革新も進み、利用者の時代も変わり、時代に合わせた新型車の投入により運輸効率・快適性が向上してゆくのはこれはまた素敵なことではあるが、やはり懐かしいベージュ色の列車が毎年一台一台廃車になってゆくさみしさは隠しきれない。

だから私は、その名残惜しさを紛らすように、ラストランも近くなった189系とともに思い出をたどるのである。

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「懐かしいベージュ色」

国鉄系189系 下り かいじ186 (9056M) 2016/10/01 新宿駅


2016-10-09 Y.Toriyama


posted by Y.Toriyama at 11:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 電車